当初アウトドアの危険を対象に始めた研究は、多様な方向への展開の可能性を見せてくれました。
体験活動は、現在の学校でも最も傷害事故が起こっている領域です。だからといって活動をやめることが子どもを危険から守ることにつながるでしょうか?教育実践はそのジレンマの中にあります。その時、活動者を危険からどう守るかは、有意義な研究テーマです。
危険認知は「生きる力」の教育に直結するテーマです。医療や産業の世界ではリスクは認知的な視点からも研究が進んでいますが、学校教育の現場ではまだまだこうした研究は遅れています。野外活動場面、学校体育場面、その他の実技教科など、教育的に意義はあると同時に危険でもある活動は少なくありません。そこで、子どもや教師・指導者はどの程度危険を認知できているのでしょうか。またそれをもとにどのような意志決定をしているのでしょうか??エキスパートとそうでない人の違いはどこにあるのでしょうか?認知心理学的にも興味深いテーマです。
主要著書