2月の中旬、いよいよしらせは帰路に就く。公的には何も意味はないが、最後に昭和基地の沖合を通過して別れを告げる。しらせから見れば、望遠鏡でみても越冬隊員の表情は見えない距離だが、その心中は顔は見えなくても推し量ることはできる。越冬隊員にしてみれば、いよいよ自分たち30人だけで隔絶された10ヶ月近い時間を過ごすのだと覚悟を決める瞬間であろう。
極地振興会が発行している南極カレンダーは、隊員が撮影した南極の写真カレンダーだ。オーロラだとかペンギンなどのいかにも南極の季節に応じた写真が使われているので、贈り物にして喜ばれている。カレンダーの部分には、その日にあった南極関係のできごとが列挙されている。特に12月~1月にかけての夏の南極は活動が活発だ。様々なできごとが記載されている。