仕事柄、学校の養護教員から相談や研修の講師を依頼されることが多い。昨今、学校(というよりも社会全体か?)の安全意識が高まり、児童・生徒の安全確保は学校の火急の課題となっている。その一方で、発達段階途上の児童・生徒、体育や遠足のようなハザードに満ちた環境の中での活動など、学校の環境は安全という点でははなはだ心許ない環境でもある。児童のけがや疾病を最前線で見ている彼らは、時に安全意識の低い教員に対してのいらだちを感じることもあるそうだ。研修の相談に来た養護教員の代表から、そんな話しを伺った。 昨年から今年にかけておつきあいした小笠地区の養護教員の研究会は、その意識を元に管理職から学校教員全体までを巻き込んで、事故やけがの対応だけでなく、その予防まで幅広く取り組んだ希有な例である。しかし、全体としては彼らの心配の種はなかなか解消しない。研修会に向けていただいた「質問」のいずれも答えることが難しいものばかりだ。知識がその一つの解決手段になることは間違いないが、それだけでも不十分だろう。リスクに対する原理的なスタンス(一種の哲学)の確立が教育界全体としても必要なのだろう。
7月11日に、懸案だった昨年のサマーチャレンジ常設コースを撤収した。この企画、約10年近く前に、富士のテレインを気軽に楽しんでもらおうという趣旨で夏の間の半常設とした誕生したものだ。その後「どうせやるなら100個。10年続けると1000個コントロール達成で阿闍梨になれる!」と継続してきた。この企画を可能にしたのが、写真の牛乳パックによるフラッグとそれを支える園芸くい(100均で1本100円)。値が張らずに数を揃えることができ、しかも最低でも半年間はもつだけの強度が要求される。フラッグは1Lの牛乳パックを二つに切って、裏返して1面に両面テープを張り、そこを張り合わせた三角柱である。この大きさだと、木につるすと隠れて見えにくいが、園芸くいにつるすと十分な可視性を有する。 最初は強度に不安があったが、ご覧のように、1年間放置されたとは思えない健在ぶりのものがほとんどだった。近年の多雨のためか、1/4近くが破れたりくいの根もとに落ちていたが、人里に近いところを除くとほとんどが健在で、ここだと思っていってみると、1年前と同じ姿で立っている。過去、もっと深い場所では、9割以上が健在だったという記録も残っている。 ここ2年ばかり、PRも不十分で利用が少ないが、この健気なフラッグたちを一度は訪れてみてほしい。