29. 8月30日

待ちに待った夏休み。40日間の夏休みは子どもにとってのパラダイスだ(今はそうでもないかも・・・)。でも、前半が終わると時間の進み方が早くなる。まだ半分と思っていたのに、楽しい日々は怒涛の勢いですぎていく。そして8月30日!宿題が・・・。そんな子どものころの日々を思い出すここ数日。

 

 2月5日まで昭和に残留希望を出したのだが、諸々の条件のため2月1日、越冬交代式後にしらせ帰艦が決まった。もうあさっての昼には、昭和基地とはバイバイなのだ。ミスもした。あの時、このチームへの同行を希望すればよかった。そういう後悔ももちろんある。半分予想したこととは言え、リスクの現場でリスクについてコメントを求めるという研究方法の難しさも実感した。一方で、発見もあった。ほのかに予想はしたが、予想以上に興味深いリスクの切羽を見ることもできた。

 

 やり遂げた感は全くない。研究者だから、研究をまとめ、論文にして初めてやり遂げた感が沸いてくるのだろう。新たな分野の探索的研究だから、言ってみれば、地学の研究者が「未知の大陸でとにかく石を拾ってきた」、に近い状態である。「珍しい石だ」くらいの実感はある。拾ってきた石を文脈の中で再構成するとき、何かが見えてくるかもしれない。それは帰路のしらせのお楽しみである。

(まだ伝え切れていない昭和・その周辺でのお話は、しらせに乗ってから、ゆっくりご報告します)。

 

写真:インステクレパネ「白瀬氷河最奥、男の隠れ家的露岩で、基準点測量の支援」