冬と夏の二つの訓練を経て、7月から本格的に観測隊は出発の準備に入ります。その皮切りが「隊員室開き」です。7月になると、設営の方を中心に、職場が正式に極地研究所の南極観測センターに移ります。そこに設置されるのが隊員室です。膨大な資材、事務作業がここを中心に行われます。その隊員室の設置に併せて行われるイベントが「隊員室開き」です。ここでは隊員や同行者は「ホスト」となり、ナショナルチームを支えるシェフたちを中心とした料理と飲み物でゲストをもてなしながら、隊員のお披露目します。ゲストは関連会社の同僚や上司、過去の隊次の隊員・同行者、報道や研究関係の方たちです。ざっとみて隊員は60人くらいですが、全体で300人くらいはいたでしょうか。隊員の4倍くらいゲストがいた勘定になります。はじめて隊に参加する隊員も、関係者の前で紹介され、一言抱負を述べることで、改めて観測隊員の一員になったと自覚が深まるのでしょう。
会場は極地研の倉庫です。まだ日の残る18時にスタートするので、西日が暑いです。そんな中でバーベキューを焼いたり、隊員とその関係者がわいわい歓談している姿はまるで夏祭り。盆踊りが始まりそうな勢いです。
BBQ人手足りない!処務の方の指令で、僕も野菜焼くのを手伝いにいきました。チキチョー、隣の肉は大行列なのに、野菜は誰もとりにこないじゃないか。「ヘルシーで美容にもいい野菜をどうぞ~」学園祭のころの大学生のような呼び込みをしたくなる雰囲気です。初めての共同作業は冬訓練のコンパスベアリングですが、隊員室開きは隊員全員が共同して何かをする初めてのイベントであり、観測隊の結束を固めるにはなくてはならないイベントです。
(写真は挨拶する土井隊長)