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エマージェンシーキットを考えてみよう

 PEAKSの12月号では、エマージェンシーの特集があった。とはいえ、ピークスなので、前半は達人達のキット紹介。サバイバルシートでビバーク可能か、のような体験記事など、面白く読める作りになっている。

 

 最近、僕も立場上エマージェンシーパックを作ってトレランレースも含めてほぼ常時携帯、機会あるごとにこんなもの持つといいですよ、とPRしているので、達人たちの中身は興味を持って読めた。当たり前だが、各人のアクティビティーの形態で中身が違う。ホーボージュンは、長期のトレッキングが多いのか常備薬がびっしり。アドベンチャーレーサーの田中正人は長期移動の外傷系メンテナンス用具が充実、山好きのスタイリスト檀上曜は、寒さ対策が主流。ガイドの松本省二は、客のトラブルに対応できる救急用品をどっさり持っている。

 

 比較的共通性が見られたのはテーピングテープとエマージェンシーシート。そして靴ずれやけがのためのばんそこと丈夫なコンピード系(傷パワーパッドなども含む。)あたりであった。

 

 「エマージェンシー」と一言でいってもいろいろなレベルがありえる。防寒は必要だが、どこまでは耐えられると考えるかは、確かに山行のスタイルで違う。自分の登山スタイルを考えながら、自分なら何をもっていくのか?そしてそれはなぜか?なんて考えてみるのは、リスク管理のよいトレーニングになる。

 

 最後に一番興味深かったのは、いくつかの会社が出しているエマージェンシーキットがあるのだが、どうも内容的に的はずれに思えるものがあった点である。特に某社のは、ライフツール(多目的工具)やメタルマッチなど、イメージの中のサバイバルにどっぷり使っており、アウトドア活動者が日常的に出会うリスクがあまり見えてないように思える。まあそういうリスクへの対応用品は値が張らないし、簡単に手に入るものが多いので、商品にはならないのかもしれないが。