イギリスの国立登山研修所の研修員にして、国際山岳連盟連合の登山委員会の委員であり、登山教育の標準化に詳しいスティーブ・ロング氏の講演会が先週日曜日にあった。
一昨年、大日岳の遭難事故後の安全対策において、講習内容の標準化について議論したこともあり、聞きにいった。
イギリスでも日本と同じような遭難状況はあるが、興味深かったのは、少し前までは学校登山での遭難が結構あったが、今ではそれは減少している。登山そのものよりも登山に関連した活動(魚釣りをしていておぼれる、ロバに蹴られる!)といった自己が多いそうだ。
講演後の質問への回答が興味深く、かつ疑問がさらに膨らんだ。
遭難救助の状況は日本とはかなり異なる。日本では警察や消防が中心だが、イギリスでは警察が第一報を把握するが、実働は基本、民間のボランティア組織による。彼らはチャリティーや被救助者の募金によって運営されているという。
組織が高齢化している点は日本と同じ様な状況だし、高齢者が無理して遭難につながる点も、明言はしていなかったが、話し方からすると同じ様な状況のように感じられた。
文化的な背景が違うので、答えがかみ合っていないと感じられるところが随所にあり、そこのところをさらにつっこんで質問してみたい気持ちはあったが、実は肝心なところで爆睡していて、恥ずかしくて質問ができなかった。残念。近いうちに彼の元で研修を積みにいくべきなのだろう。